肩こりや腰痛、膝の痛みや全身の倦怠感…
様々な症状を抱えた方々がその症状を改善させたくて色々と調べはするものの、本当に良い整体院かどうかの判断がつかない。
そんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか？
そこで実際に整体院を開業して15年、現役の整体師である私がこっそりと良い整体院の選び方をお教えします。
整体院・接骨院・整骨院…いろいろあるけどどう違うの？
巷では昨今、整体院や接骨・整骨院、鍼灸院など、様々な療術院が乱立しています。
それらの違いはいったい何なのでしょう？
まず大きな違いは公的な資格を持っているかどうかです。
接骨・整骨院は柔道整復師を、鍼灸院は鍼灸師、指圧・マッサージ院は按摩・指圧・マッサージ師という国家資格を所持しています。
それ以外は民間資格です。民間の組織や団体がそれぞれの基準で資格を発行しています。
極端な話、3日間の講習を受けるだけで認定されるような資格も中にはあります。
「じゃあ国家資格があるところに行ったほうがいいんじゃない？」
そう思われる方は多いでしょう。
国家資格があるということは、ある一定の知識は担保されているということになりますので、それも一つの考え方だと思います。
しかし、実際に症状が改善するかどうかは国家資格がある無しとはあまり関係ありません。
施術者自身の知識や経験がものをいう世界です。
接骨院などは保険が適応されるため、どんな症状で来られても10分ほどの診療ののち、電気治療やローラーベッドなどを一通りまわって終わり、という流れが決まってしまっているところが多いようです。
保険が適用されるといっても骨折や脱臼、捻挫などの急性疾患のみが認められており、肩こりや慢性的な腰痛などは適応外のため、積極的に自費診療を取り入れている接骨院も増えてきています。
原因のはっきりしない肩こりや腰痛などで保険がきいたなら、ひょっとするとその接骨院は不正請求をやっているかもしれません。
自費診療となると整体院も接骨院もそれほど内容は変わりません。症状が改善するかどうかは先生の腕次第、となるわけです。
そうなるとますますどこを選べばいいのかわからなくなりますよね。
それでは実際にどう選べばよいのか見ていきましょう。
整体院の選び方…ホームページや広告から
整体院を利用しようとする方はホームページや看板、チラシ等を見てその整体院の情報を入手するでしょう。
それらのどこに注意して判断すれば良いのでしょうか。
まずはメニューを見る
整体をうたっているお店の中には、もみほぐし系のメニューだけで営業している癒し系のリラクゼーションサロンもあります。
何らかの症状を持った方がこういったところへ行っても、その症状に合わせた施術を受けることができず、何となく体をほぐされるでけで、あまり症状の改善は見込めないでしょう。
症状改善を目的としたメニューがあるかどうかはちゃんと確認しましょう。
あまりに安い、もしくは料金が不明瞭
整体は症状にもよりますが、1時間前後の時間を要することも珍しくありません。
そうすると1日10人施術したとして10時間かかります。実際には準備や片付け、人が入れ替わるのに要する時間などを考慮すると、１日8人くらいしか施術できない日もあります。
これを1人1000円や2000円でやってしまうと、家賃や光熱費もでるかどうか。給料なんて残りません。
整体は接骨院や整形外科などと違って、1人の先生が1日に100人単位の患者を診るなんてことはありません。
安いということは、見習いやバイトなどの安い労働力を使って何人か同時に施術をしている、ということになります。
ちゃんとした先生に施術してもらおうと思えば、少なくとも1施術で4000～6000円くらいは必要でしょう。
それくらいでないと生活できません。
料金が不明瞭な院も避けたほうが良いでしょう。忙しい院はそんなトラブルの元になりそうなことはしません。
そもそも逐一説明する手間を省くためにホームページを作っているわけですから、料金を書かないなんてことは普通考えられません。
宣伝文句が多すぎないか
「地域NO.1」や「リピート率90％以上」などといった客観的なデータが存在しないアピールや、口コミや喜びの声などの称賛の嵐。
正直忙しい院はホームページの運営にそれほど手間をかけていられません。
ホームページは来られる方のために、どんなことをしていくらくらいかかるのかといった必要な情報を分かりやすく表記しておくことが一番重要だと思っています。
自分の院をほめたたえることに一所懸命なところは、来られる方を第一に考えていない傾向にあるといえるでしょう。
メニューとその詳細、アクセスや院内情報、それとやや更新が滞りがちな院長ブログ。
良く流行っている忙しい整体院なら、これくらいの内容で丁度よいのかもしれません。
分からないことがあれば電話やメールで問い合わせましょう。
その時の対応が丁寧でわかりやすいか、こちらの身になって話してくれるか、なども一つの判断基準になるでしょう。
良い整体院とは…実際に行ってみて
色々と下調べして行ってみたものの、一度の施術ですべて終わらないケースもありますよね。
今後もお世話になるかどうか判断に迷う場合は以下のポイントを見てみてください。
衛生的で清潔感がある
これは基本中の基本です。院内が汚れていたり術者自身に清潔感がなかったりは論外です。
新しい古いはあっても、不潔・不衛生というのはありえません。
医師や他の治療家を否定しない
自身の施術に自信を持っていることは良いことだと思いますが、世の中のすべての症状に対して全部改善・治癒させられる、と豪語するのは無知で危険な証拠です。
中には医師や他の治療家に対してやたらと否定的な先生もいるようです。
その症状に対して他のところではどのように対処しているのか、医師の診断や治療方針はどういったものなのか。本人からの訴えだけでなく、こういった情報も参考にして施術の方針を固めていくのが普通です。
そもそも整体院では法律上医療行為は出来ませんので、施術するにあたって医師の診断というのはとても重要な指標になります。
まともな整体院であれば、場合によっては病院での診察を勧めることもあります。
よく話を聞いてくれる
施術にあたってまずはご本人から話を聞かないことには始まりません。
にもかかわらず、簡単に症状を聞いただけで「これはこうだから」と決めつけて施術をすることは危険な行為です。
そのようなところは肩こりならこう、腰痛ならこう、といった決まった施術がルーティーン化してしまっている可能性があります。
同じ肩こりや腰痛でも、その症状がどのように発生したのか、その人の生活習慣や骨格、筋肉の付き方はどうなのか、などでその内容は変わってきます。そうなるともちろん施術内容も変わります。
話をよく聞いてくれて、なおかつ本人も意識していない施術にとって必要な情報を聞き出してくれるような先生であれば、少なくとも症状を悪化させるような危険な施術はしないでしょう。
十分な説明があり、わかりやすい
どのような見立てで、どういった施術をし、今後どのような方針でいくのか、などといったことを、こちらから聞かなくてもちゃんと説明してくれるところに通いましょう。
何のためにどういった施術をしているのかを施術を受ける本人にも分かってもらうことは、早く症状を改善させるのに必要なことです。
分からないことがあればどんどん聞いてください。それを面倒がるような先生は良い先生とは言えないでしょう。
あまり物販には熱心でない
健康食品やサプリメント、健康グッズなどを置いていることが悪いとは言いませんが、その販売に熱心な場合は注意が必要です。
物販は利益率が高く、施術のように時間もかかりませんので、そちらに熱心になってしまう整体院もあるようです。
相手のことを考えるのであれば、生活習慣の中で注意することや、自分でできる症状の予防・改善法などを熱心に指導するほうに力を入れるべきでしょう。
何か症状がある場合は病院の整形外科へ
いかがでしたでしょうか？
以上のようなことを参考にしていただければ、整体院選びで大きな失敗をすることはないでしょう。
他にも実際に施術を受けてみてのフィーリングなども重要視してよいと思います。
いずれにしても、何らかの症状がある場合はまず整形外科に行って診察を受けましょう。
整体にかかるのはそれからです。
本人は特別深刻な症状に感じていなくても、外から見ただけではわからないような病変や障害が隠れていることも少なくありません。
整体ではレントゲンやMRIをとることはできませんし、医師の診断は整体にかかったときも施術方針を考えるうえでとても重要になります。
この記事を読んでいただいた方が、ご自身に合った良い整体院に出会うことができ、つらい症状を少しでも改善させることができたなら幸いです。
肩こり、腰痛、膝の痛みといった症状は、体の姿勢とも大きく関係しています。
長いあいだ、姿勢＝体の癖が負担をかけている箇所に痛みとして出てくることが。
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