子どもに親の運動神経は遺伝するのでしょうか。
父親も母親も運動神経が悪いと、子どもの運動神経も悪くなってしまうのでしょうか。
運動神経は遺伝すると考えられがちですが、諦めることはありません。
子供の運動神経は、幼い頃にどれくらい運動したかで変わってきます。
子供の運動神経を良くする方法を紹介します。
最近の子どもは運動神経が悪い?
最近の子どもは外で遊んだり、体を動かしたりすることが減ったので、運動量が足りていないようです。
出典:http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201301/detail/1339587.htm
上の表は文部科学省が発表している子供の体力・運動能力の年次推移のグラフです。
9歳の子どもの平均身長と50m走の平均タイムを30年前と比べると、
今の子どものほうが平均身長は1.4cm伸びているのに、
50メートルの平均タイムは0.2秒遅くなっています。
運動神経を鍛えるには、小さい頃に色々な運動をして体の動かし方を覚えることが大事ですが、それが足りないので運動神経の悪い子どもが増えています。
親から子供に運動神経は遺伝する?
運動神経は遺伝すると考えられがちですが、本当にそうなのでしょうか。
運動能力と運動神経は同じもののようですが、別のものです。
運動能力は、骨格、筋力、筋肉の質、瞬発力系と持久力系どちらが向いているかといった実際に動作をする体の部位の力です。
一方、運動神経とは体をコントロールする力です。
運動するときは、脳が体をどのように動かすかの指令を出していますが、運動神経は脳そのものと、脳と体を結ぶ神経を指しています。
そして、運動能力は親からの遺伝の要素が大きいと言われていますが、運動神経は幼児期にどれくらい運動をしたか、様々な体の動きをする経験をどれくらいしたかが大きいと言われています。
運動神経を良くするって、どういうこと?
運動をするには、脳から手足などの体に指令が出て、体を動かしています。
体を動かすことによって、その動作のコツのようなものが脳に記憶されていきます。
運動に関する記憶は、脳の小脳という部分に記憶され、記憶された動きは自然にできるようになっていきます。
運動神経がいいというのは、小脳にたくさんの体の動きが記憶されていて、脳が想像したとおりに体を動かせるようになることです。
また多くの動きが記憶されているので、新しい動作をする時にも覚えが早くなります。
たとえば、自転車に乗るのは、はじめはみんなできなくて練習すると乗れるようになっていきます。
一度乗れるようになれば、しばらく乗らなかったとしても自転車に乗れなくなることはありません。
小脳が自転車に乗るコツを覚えてしまっているからです。
ゴールデンエイジが運動神経を良くするポイント
最も体の動きを記憶していくのにいい時期がゴールデンエイジです。
運動神経は3歳、4歳、5歳、6歳、7歳の5年間が最もよく伸びると言われています。
この時期に多くの運動・スポーツに取り組むことで、どれだけたくさんの体の動きを小脳に記憶させるかが運動神経を良くするポイントです。
子どもの運動神経を鍛える方法
子どもの運動神経を鍛えるには、外でいろんな体を使った遊びをするのがいいです。
走ったり、飛んだり、跳ねたり、鬼ごっこしたり、ボール遊びをしたり、ジャングルジム、ブランコ、体を使って外で遊べば、自然とたくさんの体の動きを経験します。
外で遊ぶのが苦手な子どもは、家の中でも体を使った遊びを取り入れるといいでしょう。
家の中でも、かくれんぼをしたり、新聞紙でチャンバラごっこをしたり、相撲をしたり、体を使った遊びはたくさんできます。
親も遊びに参加して、たくさん体を使って遊んであげましょう。
スポーツクラブや少年団などがあれば、子どもが興味のありそうなものに参加させてみるのもいいです。
チームプレーをすることで協調性も身につきます。
友だち・仲間を作ることは非常に大事なことです。
友だちができて楽しくなれば、子どももどんどん自主的に運動するようになります。
ほかには、幼稚園や小学校での体育の授業内容が参考になります。
運動神経を鍛える簡単にできる練習
走る:鬼ごっこなど楽しく遊びながら、たくさん走るといいでしょう。運動の基本です。
マット運動:前転や後転など体全体を使って運動しますし、バランス感覚を鍛えるのにうってつけです。
ダンス:運動神経を良くするのにリズム感は大事です。リズムに合わせて体を動かす訓練になります。
逆立ち:バランス感覚を鍛えます。
縄跳び:足の筋力、跳躍力を鍛えます。リズムよく飛ぶことで、リズム感覚も鍛えられます。
大人がやるようなゆったりとしたストレッチより、できるだけ多くの体の部位を動かす動作、手足や体全体を使った運動をするほうが効果的です。
全身を使って運動しましょう。
また、親が子どもに運動ができないことを叱ったり、怒ったりするのはよくありません。
子どもができるところを褒めて、やる気を出させることで、子どもは運動するのが好きになります。
運動自体が好きになれば、子どもがすすんでたくさん運動をしますし、たくさん動くことで運動神経が良くなっていきます。
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