上体起こしとは、一般的には腹筋(運動)と呼ばれています。
新体力テスト、スポーツテストの種目であり、30秒間に腹筋運動が何回できるかを測定します。
上体起こしの回数が多くないからといって、普段の生活に支障があるわけではありません。
さらに、上体起こしが1回もできないという人もけっこういます。
女性にはそれほど珍しいことではありません。
日常生活では腹筋を鍛える機会というのは少ないので、筋力が衰えているのです。
じゃあ、上体起こしなんかできないままでもいいかというと、そうではありません。
腹筋が衰えると、ぽっこりお腹や腰痛になりやすくなります。
せっかくなら、体力テスト・スポーツテストでもいい成績を残したいですよね。
今回は上体起こしで良い数字を出すための情報を紹介します。
体力テストでの上体起こしのやり方
出典:http://www.health-net.or.jp/
マットの上に仰向けで寝て、膝を90度に曲げます。別の人が足の甲と膝をおさえます。
胸の前で腕を組み、その上体から仰向けで寝ている人は上体を起こします。
両肘を両太ももにつけて1回です。上体を起こしただけではカウントされません。
また上体を仰向けの状態に戻します。戻したときに肩甲骨、背中が地面につかなくてはなりません。地面についたら、再び上体を起こします。
これを30秒間のあいだに何回繰り返してできるか計測します。
実施は1回です。
大阪体育大学が上体起こしのやり方を解説している動画です。
さすが体育大学ですね、かなり速い動きで上体起こしをしています。
新体力テストの上体起こしの平均値
文部科学省の「平成26年度 体力・運動能力調査 調査の結果 統計表一覧」による上体起こしの年齢別の平均値です。
自分の年齢の平均値と比べてみてください。
男子(単位:回) | 女子(単位:回) | |
6歳 | 11.54 | 11.29 |
7歳 | 14.42 | 13.78 |
8歳 | 16.68 | 15.90 |
9歳 | 18.53 | 17.89 |
10歳 | 20.72 | 19.35 |
11歳 | 22.05 | 20.44 |
12歳 | 24.64 | 21.29 |
13歳 | 28.08 | 23.96 |
14歳 | 30.44 | 25.03 |
15歳 | 29.27 | 23.00 |
16歳 | 31.21 | 24.03 |
17歳 | 32.41 | 24.48 |
18歳 | 30.35 | 23.10 |
19歳 | 30.76 | 22.49 |
20~24歳 | 29.80 | 21.53 |
25~29歳 | 28.19 | 19.85 |
30~34歳 | 26.31 | 17.80 |
35~39歳 | 24.77 | 16.81 |
40~44歳 | 23.75 | 16.45 |
45~49歳 | 22.99 | 16.30 |
50~54歳 | 21.90 | 15.15 |
55~59歳 | 20.39 | 13.77 |
60~64歳 | 18.72 | 12.05 |
65~69歳 | 15.61 | 9.50 |
70~74歳 | 13.54 | 8.61 |
75~79歳 | 11.81 | 7.73 |
上体起こしの回数を増やすコツ
腹筋以外の筋肉もストレッチをする
上体起こしは、一般的に腹筋と呼ばれているくらいなので、腹筋だけを使っていると思いがちです。
でも、実際には骨盤と下半身を繋ぐ腸腰筋、股関節まわりの筋肉である内転筋、太ももの前面の筋肉である大腿四頭筋といった筋肉を使っています。
腹筋の可動域はあまり広くないので、上体を持ち上げて30度くらいまでは腹筋(正確には、腹直筋)の力がメインですが、そこから深く上体を持ち上げているのは腹筋ではありません。
それに重たい頭を支えている首の筋肉もけっこう使います。
ケガを防止するためにも、しっかりと準備運動を行い、このあたりの筋肉をストレッチして温めて動きやすくしておくことで、上体起こしの回数を増やせます。
あごを引く
これはできていない人が意外に多いです。
あごはしっかりと引きましょう。
上体を起こす時に、上へという意識からアゴを上に突き出してしまう人もいます。
これだと、かえって上体を起こすのが難しくなります。
あごを引くのは上体起こしをする重要なポイントです。
上体を下ろす時は力を抜く
ずっと力を入れていると、筋肉が早く疲れてしまいます。呼吸をするタイミングもなくなってしまいます。
上体を下ろす時はしっかりと筋肉の力を抜いて、呼吸をします。
これも回数を増やすために、大事なポイントです。
地面についた時の反動を利用する
上体を起こして、再び地面についた時の反動の力を利用して、一気に上体を起こします。
コツとしては、地面についた瞬間にだけグッと力を入れる感じです。
回数をたくさんできる人は、持ち上げる一瞬にグッと力を入れて、下げる瞬間に力を抜き、再び上げる瞬間にグッと力を入れています。
この繰り返しです。
中途半端な力でゆっくり持ち上げるより、サッと持ち上げたほうが楽なんです。
上体が中途半端に浮いているところで、体勢を止めておくほうが筋力を使って辛くなります。
上体起こしの回数を増やすための筋トレ
上体起しの回数を増やすためには、事前に筋トレをしておくのもおすすめです。
本番前に何回か筋トレしておくだけでも、ずいぶんと結果が変わってきます。
練習のときは、手にペットボトルを持ってやるなど負荷を強めてやると、筋力がつきやすいです。
腹筋を筋トレで鍛える方法の詳細はコチラをご覧ください。
上体起こしが1回もできない人ができるようになるコツ
ここからは回数を増やしたい人ではなく、1回もできない人が上体起こしをできるようになるコツをお伝えします。
上体起こしをできない原因は、私の分析では3つあります。
- 筋力が足りない
- 上体起こしのフォームがよくない
- 体の柔軟性が足りない
筋力が足りないのが原因の人は筋トレをすればできるようになります。
腹筋、腸腰筋、内転筋、大腿四頭筋などを鍛えてください。
ただ問題は、これ以外の原因の人です。
というのも、フォームがよくない人も体の柔軟性が足りない人も、筋力が足りないからできないのだと思い込んでいる人が多いからです。
この人たちは、次に挙げるコツを意識して、上体起しをしてみてください。
背中を丸める。上半身をまっすぐ伸ばさない
フォームがよくないタイプの人は、このポイントを気をつけるといきなり上体起こしができてしまうことがあります。
このタイプの人は体の上手な使い方がわかっていないので、上体起こしを難しくしています。
上半身をピンとまっすぐに伸ばして上半身を起こそうとしていませんか?
テストのような改まった場面だと、なおさら背筋を伸ばしてしまう意識が働いてしまうのかもしれません。
たとえば、腕を水平に伸ばして重いものを持つのは大変ですよね。
体の近くで持ちあげるほうが力は少なくて済みます。
実は、上体起こしも同じです。
背筋が伸びている状態だと、重たい頭と持ち上げる筋肉である腹筋、腸腰筋、内転筋、大腿四頭筋との距離が離れるので持ち上げる力が大きくなければ上体が持ち上がりません。
それだけ筋力が必要になるということです。
じゃあ、どうすればいいか?
回数を増やすコツでも紹介しましたが、しっかりアゴを引くことです。
あごを左右の鎖骨の真ん中のくぼみにくっつけるくらいに引きます。
実際にくっつけてしまうと気道が狭くなって呼吸しづらいので、くっつけるちょっと手前くらいが一番いいと思います。
出典:http://matome.naver.jp/
これくらいアゴを引くと、自然と背中の上部が丸まります。
上体を持ち上げる腹筋、腸腰筋、大腿四頭筋と頭との距離が近づくので小さな力で持ち上がります。
前半で紹介した大阪体育大学の上体起こしの動画を確認してみてください。
スタートする時点で、頭は地面についていないですよね。
しっかり首を引いて、すでに背中の上部は丸まっています。
背筋も首も伸ばして頭を地面につけた状態から、上体起こしをするのは誰でも大変です。
大きなポイントなので、気をつけてください。
お腹、背中のストレッチをする
柔軟性が足りないタイプの人は、お腹や背中をストレッチすることで上体起こしができるようになります。
体力テストの上体起しでは、膝を90度に曲げた状態で行います。
上体を起こすと、上半身と下半身がグッと接近しますよね。
この時、体の固い人だとあまり近づけることができずに、離れようとする力が体に働いてしまいます。
感覚を伝えるのが難しいのですが、このタイプの人は膝を90度に曲げずに、足を伸ばしたまま腹筋するのだったら簡単にできるという人が多いです。
足を伸ばしていて上体を起こしても、上体と下半身とは90度くらいの角度があります。
なので、体が固くても離れようと反発する力が働きません。
膝を90度に曲げているから、上半身と下半身がくっつき、体が固くて上体起こしを難しくしているのです。
この人たちは筋力をつけるよりも、柔軟性を上げるためにストレッチをすべきです。
どんなストレッチをすべきかですが、お腹をすぼめて背中を丸めるストレッチです。
立位体前屈、長座体前屈で体が柔らかくて、背中がグッと曲がり、お腹や胸と太ももがくっつくような人は問題ありません。
このストレッチで体を柔らかくしていけば、上体起こしができるようになるはずです。
腰や背中を柔らかくして、グッと丸まられるようになればいいので、椅子に座ったまま腹筋に力を入れてお腹を丸めていくだけでも効果があります。
これなら、デスクワークの人も座ったままできます。
上体起こしをする時の注意点
最後に上体起こしをする時の注意点をお伝えします。
- 固い床でするとケガをしやすくなるので、マットの上で行いましょう
- メガネをしている人は外してやりましょう
- 上半身を丸めて、体を下ろすようにしましょう。上半身をまっすぐにして地面につくと、かなり衝撃があります。ケガをする可能性もあります。
こういった点に注意しながら、上体起こしをしてください。
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