太郎は腕立て伏せってしたことあるか?
そりゃ、僕だって腕立て伏せくらいしたことあるよ
どうせ大した回数できないだろう。トレーニングの王道は何かと考えたときに、スクワットとともに腕立て伏せを選ぶプロトレーナーは多いだろうな
そうなんだね。まあ、どうせ僕は腕立て伏せ、たくさんはできないけど
腕立て伏せは特別な器具や重りを使わなくても、上半身を中心に多くの筋肉を同時に鍛えることができる優れたトレーニング方法なんだ
学校の部活なんかでもするもんね
そうだな。子どものための体力づくりから軍隊のためのトレーニングに至るまで、幅広く行われている。各個人の体力レベルによって負荷をかけることができ、バリエーションも豊富だ。思い立ったらいつでも、どこででも行えるのも腕立て伏せのいいところだ
そうだよね。器具なしでできるから、今ここでいきなりやろうと思えばできるもんね
そうだな。簡単に見える腕立て伏せだけど、意外と正しいやり方でできていない人も多いんだ。誰でも強靭な身体を手に入れることができるかもしれない腕立て伏せ。そのためにも正しいやり方をチェックしなきゃな
腕立て伏せの効果
腕立て伏せが上半身に効果的なのは、きっと誰でもなんとなく想像できるだろう。
身体を鍛えるために大昔から実践されているトレーニングの王道だからな。
主に大胸筋・上腕三頭筋・三角筋を刺激するトレーニングで、分厚い胸板と太い腕、盛り上がった肩を目指す男性諸君にはもってこいの筋トレだ。
それに、腕立て伏せのフォームを維持するためには腹筋や背筋などの体幹部の筋力も必要となり、上半身をまんべんなく鍛えることができる。
自重で行うことがほとんどなので、ある程度筋力がついてくると負荷が足りなくなり、筋肉に十分な刺激を行き渡らせるためには時間と回数が必要になってくる。
そのため、筋肥大(大きな筋肉をつける)を目的とするのであれば、強い負荷をかけられるマシンやウエイトを使うほうが効率が良いとは言える。
しかし、腕立て伏せだけでも、かなりイイ体は作ることができるぞ。
下半身を使うトレーニングほどではないにしても、大胸筋をメインに上半身の多くの筋肉を一度に使って行うトレーニングだから、全身の代謝が上がりやすく総合的な体力向上にも効果的だな。
正しいフォームでしっかりと負荷をかけることで、ボディビルダーのような身体を目指すのでない限りは十分に引き締まった体づくりができるぞ。
腕立て伏せの正しいやり方の基本
腕立て伏せがどんな動きをするのか、まったく分からないという人はほぼいないだろう。
誰もが一度は見たり、やったりしたことがあると思う。
だから順を追ってやり方を解説するより、間違えやすい注意点を紹介したほうが良いだろう。
オーソドックスな腕立て伏せ、いわゆるプッシュアップで一番に効かせたい場所は大胸筋だ。
大胸筋にしっかりと負荷がかかるように意識しなくてはならない。
両手を床について伸ばす動きで胸に力が入っているか確認しよう。
手のひらは指先を内向きにすると胸に負荷がかかりにくくなるので、身体と平行かやや外向きになるようにする。
両手の幅は、肩幅よりやや広いくらいが一番力を入れやすい。
手の位置が肩よりも頭側にくると、関節にかかる負担が大きくなるため、肩と同じぐらいの高さに手をつくのが基本だ。
プッシュアップバーがあれば手首への負担が少なくなり、大胸筋がよく開いてストレッチも効くし、より効率よく負荷をかけることができる。
それほど高いものではないので、今後もプッシュアップを日常的なトレーニングとして続けていこうと考えているのなら、初めに購入しておくのもいいだろう。
おしりが落ちて腰がそってしまったり、逆にお尻が上がって身体がくの字になってしまったりしないように注意しよう。
頭から足まで一直線になるように気をつけて、その姿勢を維持する。
正しい姿勢を維持することで腰によけいな負担がかかるのを防ぎ、メインである大胸筋はもちろん、腹筋や背筋、殿筋などの体幹部の筋肉にも効果的に刺激を加えることができる。
目線は真下よりやや前方に上げたほうが身体をまっすぐに保ちやすいだろう。
いろいろな腕立て伏せのやり方
基本的な腕立て伏せができれば、大胸筋を中心に上半身の筋肉を十分に刺激することができるが、やり方によっては狙った部位に負荷をかけることもできる。
いくつか紹介するぞ。
ワイドプッシュアップ
より大胸筋に効かせるよう意識するには、手の幅を広げて行うといい。
可動域は狭くなるけど、腕の力が入れにくくなるので胸への負荷が上がる。
大胸筋の可動域を大きくとるためにも、プッシュアップバーがあると便利だ。
足は開かずにピッタリと閉じたほうが胸への負荷がかかりやすいと思う。
身体を落とすときに肘を横に広げすぎないように注意しよう。
真横に肘を張って行うと肩への負担が大きくなって痛める可能性があるからな。
肘が少し足側へ曲がるようにしてくれ。
ナロープッシュアップ
太い腕のために上腕三頭筋を鍛えたいのであれば、手をつく幅を肩幅より狭くしよう。
脇を締めて身体を上下させることで、上腕三頭筋への負荷が増大する。
通常のプッシュアップよりも負荷が強く感じるかもしれないが、フォームが崩れないように体幹にもしっかりと力を入れて行おう。
スロープッシュアップ
普通のプッシュアップを単純にゆっくりと時間をかけて行う方法だ。
3~5秒ほどかけて下ろし、3~5秒かけて上げる。
ゆっくりとやることで負荷がかかっている筋肉への意識を持ちやすくなる。
大胸筋や上腕三頭筋はもちろん、広背筋や体幹部の広い範囲にまで筋肉の緊張を感じることができる。
使っている筋肉を意識することでトレーニングの効果は上がるぞ。
また、片足を浮かせたり、バランスボールに足をかけたりすることで体幹部への負荷を強めることが可能だ。
不安定な体勢を真っ直ぐに維持するため、腹筋や背筋などの体幹部の筋肉をしっかりと収縮しなければならなくなる。
手や足を置く位置や幅を変えるだけで、筋肉の効かせる場所を変えられるのも腕立て伏せの特徴だ。
関節に負担がかからないように注意しながら色々と試してみるといいぞ。
腕立て伏せは胸筋、腹筋、背筋を鍛えるのに効果的
腕立て伏せが昔からずっとトレーニングとして行われ続けているのは、効果があるからにほかならない
そうだよね。効果のないトレーニングなら、なくなっているはずだよね
そういうことだ。効果の疑わしい奇抜なトレーニングが、流行することはあっても効果がなければ消えていく。
大幅な筋肥大を狙うことはできないが、バランスよく引き締まった体を作るには腕立て伏せは最適だ
だから学校で子どもたちにも腕立て伏せをすすめるんだもんね
身体を鍛えたいけれど、どんな筋トレから始めたらよいのかわからない人は、まずはスクワットと腕立て伏せをするのが間違いないぞ