長座体前屈するバレリーナ

長座体前屈とは

地面に足を伸ばして座り、手を伸ばしどこまで体を前屈させることができるかという体の柔軟性を計測する種目です。

長座体前屈の測定方法

1 初期姿勢をとる

地面に足を伸ばして座ります。

測定器具がコピー用紙の箱などダンボールで手作りしたものである場合は、足は測定器具の間に入れます。

伸ばした足は軽く開いておくほうが、体を前に倒しやすいです。

壁に、背中とお尻をぴったりとくっつけて、背筋を伸ばします。

肩幅の広さで、両手を肘を曲げずにまっすぐ伸ばして計測器の厚紙の上に起きます。

手を厚紙の上の置き肘を伸ばしたまま、背筋を伸ばして、できるかぎり手前に厚紙を引いておきます。

この体勢が初期姿勢です。

2 初期姿勢時の位置にスケールのゼロの位置を合わせます

3 前屈する

両手を厚紙に置いたまま上体を前屈して、厚紙を前に移動させます。この厚紙を移動した距離が長座体前屈の記録となります。

長座体前屈のルール・注意点

  • cm単位での記録となり、cm未満は切り捨て
  • 2回行い、よい方を記録とする
  • 前屈した時にも、両足はしっかりと伸ばし、曲げないこと
  • 前屈をする時は、勢いをつけずに行うこと
  • まっすぐ前に前屈すること(測定器がまっすぐ動くようにレールをつけてもいい)
  • 靴を脱いで行うこと

長座体前屈の測定方法やルールの動画です。

長座体前屈の年齢別男子・女子平均記録(高齢者含む)

長座体前屈の年齢別の平均記録はどれくらいなのでしょうか。

文部科学省のホームページに、平成26年度体力・運動能力調査結果の統計データがありました。

長座体前屈は、高齢者の方も行われているので、79歳までデータがあります。

男子 女子
6歳 26.18cm 28.15cm
7歳 27.82cm 30.68cm
8歳 29.48cm 32.65cm
9歳 31.23cm 35.25cm
10歳 33.62cm 37.90cm
11歳 35.43cm 39.96cm
12歳 49.70cm 42.87cm
13歳 43.95cm 46.25m
14歳 47.73cm 48.15cm
15歳 46.15cm 45.90cm
16歳 48.64cm 47.58m
17歳 50.76cm 48.88cm
18歳 49.00cm 48.70cm
19歳 48.89cm 47.40cm
20~24歳 45.52cm 45.98cm
25~29歳 44.90cm 44.65cm
30~34歳 43.48cm 43.64cm
35~39歳 41.58cm 42.60cm
40~44歳 40.18cm 42.34cm
45~49歳 39.79cm 41.89cm
50~54歳 38.84cm 42.09cm
55~59歳 38.28cm 42.41cm
60~64歳 37.78cm 42.43cm
65~69歳 35.87cm 40.42cm
70~74歳 36.19cm 40.11cm
75~79歳 35.58cm 38.86cm

長座体前屈のギネス記録・世界記録・日本記録

成人では、男子で62cm、女子で60cmいくと、かなり好成績です。

男子は68cm以上、女子66cm以上でスポーツテストでは満点になります。

ギネス記録・世界記録・日本記録を調べてみました。

しかし、長座体前屈は文部科学省が国民の体力を測定するために行っているものであり、世界の人が競っている正式な競技ではありません。

なので、正式な記録は残っていませんでした。

ただ、インターネットで調べていると、いくつか記録の書き込みがあり、一番いい記録の人で、81cmという人がいました。

79cm、76cmといった人もいたので、それなりに信憑性のある数字かなと思いましたので、参考に記しておきます。

長座体前屈ができるようになる・記録を伸ばす方法

長座体前屈する外国人女性

長座体前屈ができない原因

長座体前屈ができない人は、おしり、太ももの裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉が硬くなっていて、伸ばせないことが原因です。

この筋肉を柔らかくすれば、長座体前屈はできるようになります。

骨盤が後傾している人も前屈できない

もう一つ、体を前傾させる上で、不利になる人は骨盤が後傾してしまっている人です。

骨盤が後傾してしまっている人は、姿勢の悪い人に多く、ほとんどの人が猫背の人です。

猫背なら前傾しやすそうと思うかもしれませんが、猫背の人は不安定な体のバランスを取るために、お腹を突き出したような体勢になり、骨盤が後傾してしまっている人が多いのです。

そのため、腰よりも下から体を前に曲げることができないのです。

具体的には、腰から曲げるのではなく、腰よりも下、股関節のあたりから前屈することで長座体前屈の記録が伸びます。

股関節の硬い人は、股関節を柔らかくする必要もあります。

長座体前屈の記録を伸ばすストレッチ・トレーニング

できない原因を取り除いてあげれば、できるようになりますし、記録を伸ばせます。

  1. 太ももの裏の筋肉であるハムストリングスを中心に、おしり、ふくらはぎの筋肉を柔らかくすること。
  2. 股関節を柔らかくして、骨盤が前傾するようにすること。

この2つです。

長座体前屈の記録を伸ばすストレッチ・トレーニングを紹介します。

風呂上がりにストレッチ

ストレッチをするのに、いいタイミングなのが体の温まっている風呂上がり。

実際に、長座体前屈をするのはもちろん、開脚しての前屈、股関節のストレッチなど、関係しそうなストレッチを、このタイミングで行いましょう。

本番では、体に勢いをつけて行うことはできませんが、ストレッチをする時には軽く反動をつけて行うのもアリです。

ケガをしないように無理しすぎてはいけませんが、自分一人でストレッチをするのにケガするほど体を曲げたり、伸ばしたりできる人はまずいません。

むしろちょっと甘えがちなので、限界まで伸ばすことのほうが難しいです。

反動をつけて、体をほぐしてあげて、それからグーッと本番と同じようにストレッチするのがオススメのやり方です。

反動をつけてストレッチするだけで終わりにするのは止めてくださいね。反動をつけるのと、グーッとじんわりストレッチをして、体を柔らかくするのと両方とも行いましょう。

ストレッチ時は息を吐くのを意識

ストレッチをしていてグーッと体を曲げる時に、呼吸を止めてしまう人がいます。

ストレッチは呼吸を止めずに、呼吸しながら行うほうが効果的です。

特に、息を吐くことを意識しましょう。

股関節から曲げる

腰から曲げるのではなく、股関節から曲げることを意識します。

そのためにはしっかりと骨盤を立てる必要があります。

骨盤を立てて、お尻の骨が床に当たるのを感じるようにします。

そこから前傾していく際には、お尻の骨が床から浮いているような感じになり、太ももの裏側、お尻と太ももの境くらいで重心を支えているような感覚になります。

ちょっと感覚が分からなくて難しいという人は、おへそを太ももにくっつけるようなイメージで行っても、股関節から曲げられます。

股関節から曲げられるようになると、太ももやふくらはぎだけでなく、お尻の筋肉も伸びているのを感じるはずです。

伸ばせる筋肉の範囲が長くなれば、それだけ伸びる長さも有利になります。

骨盤の後傾を直す=猫背を直す

骨盤が後継している人は、股関節から前傾することが難しくなります。

股関節から曲げるように意識してストレッチを行うとともに、普段から姿勢を良くして過ごすように生活することで、骨盤の後傾が癖になっている人も次第に直ってきます。

長座体前屈の記録を伸ばすトレーニング動画です。

参考にしてみてください。

長座体前屈のコツ・裏ワザ(スポーツテスト・体力テスト当日)

普段からストレッチをしておくだけでなく、スポーツテスト・体力テストの当日に、以下のことに気をつけるだけでも記録が変わってきます。

測定前にストレッチをする

ストレッチをしていると、必ず始める時より終わる時のほうが、毎回、体が柔らかくなっているのを実感されると思います。

スポーツテスト・体力テストの本番も同じです。

いきなり体を曲げるよりも、しっかりと本番前にストレッチをしておいたほうが記録は伸びます。

太もも、ふくらはぎ、股関節、お尻といった部位を、本番前にしっかりストレッチして伸ばしておきましょう。

時間の目安として、各ストレッチを1分くらいは行います。

息を吐く

練習のためのストレッチ時と同じように、本番も息を吐くことを意識して行います。

スポーツテスト・体力テストの本番になると、緊張したり、気合いが入ったりして呼吸をするのを忘れてしまう人がいます。

息を吐きながら行うほうが、記録も伸びますので、リラックスして息を吐きながら行いましょう。

長座体前屈は身長の高い人が有利?(おまけ)

身長が高い人のほうが、長座体前屈は有利なのではという説があります。

たしかに上半身と下半身の長さが同じ割合の人なら、身長が高い人のほうが有利になります。

もっとも有利なのは、身長が高くて、胴長短足体形の人です。

走るなど運動する時には、あまり役立ちませんが、長座体前屈では胴長短足だと有利です。

だからといって、胴長短足になりたいとは思いませんけどね。

長座体前屈など体を柔らかくするのにも姿勢の良さは有利になります。

正しい姿勢を身につけるのに役立つインナー情報はコチラ

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