ぎっくり腰が痛む女性

何気ない動作をしていると、突然「グキッ!」と腰に激痛が走る。

そのまま動けなくなってしまうぎっくり腰。

歩くこともできず、一人ではどうしようもない状態です。

どうしたらいいのだろう?と思いますよね。

あなたは、ぎっくり腰になった時の正しい対処法を知っていますか?

いつなるか分からない突然のぎっくり腰の応急処置をお伝えします。

 

ぎっくり腰で救急車を呼ぶのはいいのか?

あまりに痛くて動けないので、救急車を呼ぼうかと頭をよぎるかもしれません。

でも、ぎっくり腰で救急車を呼んでいいものか、迷いますよね。

あまりの痛みに救急車を呼びたくなる気持ちは分かりますが、腰の痛みだけなら救急車を呼んだり、夜間病院に行ったりするのは控えておいたほうがいいです。

 

救急車は生命に関わる症状であったり、緊急性が高い症状であったりのために税金を使って行われている制度です。

たしかにぎっくり腰の痛みは辛いですが、ぎっくり腰だけなら命に関わるような緊急の病態ではありません。

横になり、少し休んでいると痛みが落ち着いてくることが多いです。

 

それに実際のところ、ぎっくり腰になってすぐは安静にするしかなく、病院に行ってもあまりできることがないのです。

かりに救急車を呼んだり、夜間に診療してくれる病院に行ったりしても、

  • じきに良くなるから、安静にしていてください
  • ベッドの空きがないので、自宅で療養してください
  • 骨に異常がないか気になるなら、後日、検査しましょう

といった対応になることが多いようです。

腰が痛い中、無理して病院まで往復の移動をしただけで帰ってきたということになりかねません。

 

ぎっくり腰の応急処置

じゃあ、ぎっくり腰になったら、どうしたらいいの?と思いますよね。

ぎっくり腰の応急処置をお伝えします。

 

身の安全の確保

ぎっくり腰になるのは室内だけとは限りません。

交差点を歩いていたり、車の運転中だったり、どの場面でぎっくり腰になるか分かりません。

まずは身の安全を確保しなければなりません。

歩けないときは、まわりの人に助けを求める必要があります。

 

痛みが緩和する楽な姿勢で安静にする

ぎっくり腰になって、すぐはとにかく痛いので安静にするしかありません。

無理して、動いてはいけません。

立ったり、座ったりせず、横になったほうがいいです。

少しでも痛みが緩和する姿勢を見つけて、ジッとしているしかありません。

 

ぎっくり腰になった人は、次の姿勢をとると楽になることが多いので、参考にしてください。

 

・仰向けになり、両膝を曲げる

仰向けで膝を立てて寝る

出典:https://www.ishamachi.com/

 

・横向きに寝て、背中を丸める。足の間に枕を入れる

横向きに寝て枕を膝に挟む

出典:http://www.seitai-gaia.com/

 

患部を冷やす

もし、少しだけでも動けて患部を冷やすものが用意できるなら、患部を冷やしましょう。

まわりの人にお願いできるなら、お願いしましょう。

ビニール袋に氷を入れてタオルで巻いたり、アイスノンをタオルで巻いたりしたものでかまいません。

 

応急処置としては、腰を温めるのはNGです。

ぎっくり腰になった当日は、患部を温めないようにお風呂に入るのは控えましょう。

2日目以降はかるくシャワーで汗を流すようにします。

痛みが落ち着くまでの数日間は、お風呂に入ってじっくり体を温めるのは避けたほうがいいです。

 

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰の原因は、腰の炎症です。

腰が炎症して、熱を持っている状態なので、応急処置は冷やすのが正解です。

ぎっくり腰になってすぐの痛みが緩和してきたら(炎症が落ち着いてきたら)、早く治すために温めるのも効果的になりますが、応急処置としては冷やすと覚えてください。

 

炎症している部位を温めてしまうのは、炎症を促進させることになります。

炎症範囲を拡大し、症状を悪化させてしまいます。

まずは、炎症を抑えるために冷やしましょう。

 

同じ理由で、ぎっくり腰になってすぐのマッサージ、指圧、ストレッチも止めてください。

痛いところ(炎症しているところ)を揉んだり、動かしたりすれば、炎症の範囲を拡大します。

患部に直接する指圧や、患部に刺激が加わるマッサージをしてはいけません。

 

お風呂に入って温めたり、もみほぐしたりは炎症が落ち着いた後には、早く治すために効果的な方法ではありますが、応急処置としては炎症を拡大させるのでダメだと覚えましょう。

 

ぎっくり腰の症状で整形外科の病院へ行くかどうかの判断基準

ぎっくり腰になり、翌日になっても次のような症状があるときは整形外科に行って診察してもらいましょう。

  • 患部が異常に腫れてきた
  • 横になっていても、強い痛みが続いている(寝返りなど動作時は除く)
  • 痛みが楽になる姿勢がない
  • 眠っていても痛みで目が覚める。痛くて眠れない(寝返りは除く)
  • 発熱、冷や汗が出る
  • 痛みが増している
  • 下肢の痺れや脱力感(力が入らない)がある
  • 排尿、排便に異常がある
  • 気持ち悪い、嘔吐が伴う
  • 腰だけでなく他の部位まで痛い(動かさなくても痛い)

 

こういった症状がある時は、単なるぎっくり腰ではない可能性があります。

病院へ行くようにしてください。