いきなりクイズだ。人間の体で、もっとも多い成分は水分だが、次に多い成分は何か知ってるか?
うーん。何だろう。わからないよ。
正解は、タンパク質だ。
筋肉がタンパク質でできているのは有名だと思うが、皮膚、髪、爪はもちろん、臓器や血液もタンパク質が大部分で構成されている。
それだけ重要な栄養素だってことだ。
へ~、そうだったんだ。
今回は、タンパク質について俺が教えてやるよ♪
タンパク質とは
さっきのクイズのとおり、タンパク質は人間の体の中で水分の次に多い成分なんだ。
だいたい体の15%~20%くらいがタンパク質なんだ。
タンパク質はアミノ酸に分解され吸収される
タンパク質は、多くのアミノ酸が結合してできている。
実は、タンパク質が体内に入ると、一つ一つのアミノ酸に分解されてから、吸収されているんだ。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
アミノ酸にも種類がある。
よく言われるアミノ酸の種類に、必須アミノ酸と非必須アミノ酸というのがある。
体の中では作られなかったり(合成されなかったり)、作られても必要量に足りなかったりして、食べ物から摂取しなければならない必須アミノ酸。
逆に、体内で作られるので、食べ物から摂取しなくても平気な非必須アミノ酸。
タンパク質の種類
タンパク質は、アミノ酸が結合したものだと話したよな。
アミノ酸には20種類ある。
さらに結合の仕方にも種類があって、アミノ酸が2個以上でそんなに多くない数結合したものをペプチドと言う。
直線状に結合していくとポリペプチドと言う。
また、一般的に10個くらい結合したものをオリゴペプチドと言う。
呼び方を分ける結合の数は明確に決まっているわけではないんだ。
だいたいタンパク質は、アミノ酸が80個とか、それよりも多い数、複雑に結合している。
アミノ酸が20種類あって、結合する数や結合の仕方にも色々あるから、タンパク質にはいろんなものがあるってことだな。
タンパク質の役割・働き
タンパク質が、体の中でどんなふうに役立っているのか、その働きを見てみよう。
水分の次に多い成分だから、たくさんの役割を果たしているぞ。
①エネルギー源
糖質や脂質がエネルギーになるというイメージが強いだろうけど、タンパク質もエネルギーになる。
タンパク質がエネルギーとして使われた場合には、1gで4kcalのエネルギーになるんだ。
タンパク質がエネルギーになるってことは、どういうことか分かるか?
タンパク質を摂りすぎると、太るってことだ。
タンパク質は、糖質や脂質に比べるとずっと太りにくいし、それほど気にしなくても大丈夫だが、それでもタンパク質も摂りすぎると肥満になりえるから、気をつけて。
②特異動的作用
タンパク質を摂っても太りにくいのは、この特異動的作用のためでもある。
なんだか難しい言葉が出てきたけど、タンパク質を消化吸収するには、エネルギーがたくさんいるってことだ。
人がエネルギーを使うのは、体を動かすことだけでなく、食べ物を胃や腸で消化吸収するのにも使っている。
普通の食事だと、食べた分の10%くらいのエネルギー量が、消化吸収のために使われるんだけど、これが仮にタンパク質だけを食べたとすると、30%くらいのエネルギー量が消化吸収のために使われるんだ。
タンパク質を消化吸収するには、たくさんのエネルギーがいるってことだな。
食べて消化するのに、たくさんエネルギーを使うってことは、タンパク質を食べても太りにくいってことだ。
糖質だと、食べたエネルギー摂取量の6%くらいを消化吸収に使う。
脂質だと、食べたエネルギー摂取量の4%くらい。
タンパク質だと、食べたエネルギー摂取量の30%くらい。
いかに、糖質や脂質に比べるとタンパク質が太りにくいかが分かるだろう。
それと、タンパク質を食べるとエネルギーを多く使うってことは、それだけ食事中や食後に体が温まるってことでもある。
冷えた体を食事で温めたい時は、タンパク質を摂ると温まりやすいぞ。
③機能的役割
- 体の中で代謝を起こす、細胞を生まれ変わらせる、細胞内で情報を伝達している
- 血液の中に存在して、脂質やコレステロールを運んだり、酸素を運んだりしている
- 病気にならないようにする免疫機能に役立っている
④構造的役割
タンパク質は、人間の体を作る材料にもなっている。
筋肉、骨、皮膚、髪、爪、臓器、腱、靭帯、血液などなど。
タンパク質は、たくさんの体の一部になっているんだ。
タンパク質の1日の必要量・摂取量
これだけ体の中で、たくさんの役割があるタンパク質。
いったい1日でどれくらい摂らなければならないと思う?
ざっくりと目安でいうと、成人している大人なら、1日の摂取量の目安は、体重1kgあたりタンパク質1gくらいだと思ってもらっていい。
体重60kgの人なら、1日60gのタンパク質が必要ってことだな。
タンパク質が60gっていうと、そんなに大変じゃなさそうに聞こえるが、鳥のささみ肉を300gくらい毎日食べないとならない量だからな。
タンパク質が多い、脂肪が少ない食品一覧
タンパク質が多い食品は、大きくは二つに分けられる。
一つは動物性タンパク質を含む食品で、もう一つは植物性タンパク質を含む食品。
動物性タンパク質は、肉と魚に分けられる。
肉は、牛肉よりは豚肉、豚肉よりは鶏肉のほうが、脂肪が少ない傾向にある。
どの肉を選ぶときも、脂身や皮の部分がない赤身の部分を選ぶといい。
低脂肪や無脂肪の牛乳を飲むのもいい。
魚は、刺身やお寿司で食べたときに脂がのっていて旨いなぁと思いがちなのは赤身の魚が多いと思うが、そのままイメージどおり赤身の魚のほうが、脂肪が多い傾向にある。
タラ、ヒラメ、カレイといった淡白な味がする魚は、脂肪も少ないです。
また、イカ、エビ、タコ、カニも高タンパクで脂肪が少ない食品になる。
植物性タンパク質は、納豆、豆腐はオススメ。豆乳を飲むのもいい。
きのこ類もタンパク質を含み、低脂肪の食品だ。
サプリメントでタンパク質の摂りすぎに注意
タンパク質の摂りすぎには、なかなかならないと思うが、サプリメントやプロテインを飲んでいる人は、摂りすぎるのも良くないことを知っておこう。
タンパク質の取りすぎで起こりうる症状
タンパク質を取りすぎると、体にどんな悪影響がありうるのか、ちょっと見ておこう。
・内臓疲労
たくさんタンパク質を摂れば、それだけ分解するのに肝臓や腎臓に負担がかかってくる。内臓に疲れが溜まっている状態になってしまう。
・カロリーオーバー
高タンパクで低脂肪の食品もあるにはあるが、一般的に高タンパクの食品は、カロリーも高い食品が多い。
意識して食品を選ばないと、タンパク質を十分に摂ると、カロリーオーバーになりがちだ。
・腸内環境の乱れ
大腸には、たくさんの腸内細菌がいるんだ。
腸内細菌には、善玉、悪玉、どちらでもない中間の細菌がいる。この3つのバランスが取れて、正常な状態を保っている。
しかし、動物性タンパク質を摂りすぎると、消化吸収しきれなかったタンパク質が腸内に入ってきて、悪玉菌たちのエサになってしまう。
これによりバランスがくずれて、腸内環境が乱れてしまうんだ。
タンパク質のサプリメントを摂るときの注意点
食事から、どれくらいタンパク質を摂れているかを把握して、摂取した量に足りない分だけを摂るようにしよう。
それには、食品に含まれるタンパク質の量をだいたい知っておくため、勉強がいるってことだ。
それから、タンパク質の摂取量の目標を決めて、その量を摂取するようにするのは大事だけど、決めた目標値をどうしても守ろうとしすぎないこと。
実際に、体の調子がどうなのか、筋肉をつけたくてタンパク質を摂取する人も多いだろうけど、筋肉の調子だけでなく、消化器官の調子なんかもしっかりチェックしよう。
体調を見ながら、タンパク質の摂取量を調整することが大事だぞ。
困ったことがあったら、栄養士など詳しい人のアドバイスを求めるのもいいな。
じゃあ、トレーニングがんばってくれよな。
[…] タンパク質はアミノ酸に分解され吸収!種類と働き。摂りすぎ注意 […]